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専業トレーダー DaTsU

筋道を立てる

先週は「三位の伝」の説明をしましたが、相場に向かう気持ちは常に真摯で
なければならないと思います。いい加減な気持ちで、目先の1円なら取れると
思いがちですが、しっかりと考えて仕掛けていかないととんでもない事態に陥
ってしまうのです。「三位の伝」の使い方をしっかりマスターし、相場の方向
性をきちんと掴んで下さい。


 此の書を見極むるといえども、高下につれ、米の一体を取り失うことあるも
のなり。折々、三位の伝に引き合わせ、全体、米の上げか下げかを見合わせ、
月々日々高下を考え、気動く時は毎日売買に思い入れ付け、年中商い致す故、
商い仕舞いの節は損出るなり。
 一年の内、両度ならで、丈夫に商い致す処なきものなり。三位の伝を以て考
え、此の米、二三ヶ月も上がるか下がるかをとくと考え、売り買い共、ひと筋
に立て抜くべきなり。それと共に心もとなきことあらば、幾月も相待ち、図に
当たる時を考うべし、返す返すも、三位の伝を離れ、一分の了見にで商いすべ
からず、肝要のことなり。若し、一分の了見を持って商い致せば、損すること
疑いなし。

 「この『相場三昧伝』を極めても相場が高安する中では相場の行方を見失う
こともあります。そういう時こそ「三位の伝」に照らし合わせて、上がる相場
なのか下がる相場なのかをよく見ることが大切なのです。月々や日々の値動き
が気になって仕方がなく、年がら年中相場に手を出すと結局は損するものなの
です。
 一年のうち1~2回、「ここぞ!」と言う勝負をするときがあるのです。「三
位の伝」をもってこの相場2~3ヶ月も上がるか下がるかを良く考えて、売りな
ら売り、買いなら買い、に徹すべきなのです。売り買いの判断が付かず迷うよ
うなときはあせることなく、何ヶ月も待ち、「ここぞ!」と思うときを待って
いる方がいいのです。何度もいうように「三位の伝」を離れ、自分だけの独り
よがりで売買を仕掛けてはいけません。これは大事なことなのです。若し、自
分だけの独りよがりの判断で売買をしていると、損をするのは必定です。」

 ここでは必ず売り買いをしていないと気がすまないような「相場中毒」-と
言うよりも「売買中毒」を戒めることを述べています。「何となく強そうだ」
とか「○○さんが推奨していたから」と言うことだけで売買をしているとお金
がいくらあっても足りず、なおかつなかなか儲けることは難しいと思います。
ここでいう「一年の内に1~2度」しかチャンスがないというのは大げさですし、
日々のディーリングでしっかりと儲けている人もいます。ただ、闇雲に相場の
見込みもなく、売買の方針もたてずに「相場で儲けるために」売買するという
「手段」が「とにかく売り買いする」という売買自体が目的となってしまって
いるような感じの人を戒めているものだと思います。
 また、板(売買の状況)の売り物が薄いから買い、厚いから売り、と単純に、
相場の方向も考えずに売買すると厚いはずの売り物がどんどんこなされて、空
売りの買戻しを伴って大暴騰となったり、薄いはずの売り物が買いついたとた
んに大量に売りに押される、ということも良くあることで、相場の方向性を考
えずにその場の雰囲気だけで売買するとなかなうまく儲けることは出来ないの
です。


 急に儲くべしと商いを急ぐ時は、日々の高下に迷う故、相場を追い掛け、追
い掛け商い致す故その度毎に損出るなり。新米は上方諸方順気作合い能く能く
相考え、天井を考え三位の伝に引き合わせ、買い方に付き、終始強き立て抜く
べし。春夏の米も右の順なり。付け出し大切なり。幾月も見合わせ、底を見極
めること第一なり。商い仕当たる時は見切り大切なり。商い仕舞い、四五十日
休むこと肝要なり。

 「すぐに相場で儲けようと慌てて仕掛けると、日々の目先の上げ下げに惑わ
され、相場を追いかけて、あと追い注文になりやすく、売買するたびに損にな
ってしまいます。
 新米の相場も上方や諸国の天候や作柄を良く考え、天井や底の時期、値段を
考え、「三位の伝」を良く考え、買い方に付いたならば最後まで強気を貫くべ
きなのです。春や夏の相場もまた同じように考えるのです。仕掛けが大切なの
で何ヶ月も相場を見て底値を見極めることが一番大事な事なのです。そして売
買が思惑通りになったならば(利が乗ったならば)しっかりと利益を確定し、
4~50日休んでしっかりと相場を見極めることが大切なのです。」

 とにかく、一円でもどちらかに動く方に乗って儲けようとあせって手を出し
ても相場は決してうまく行くものではありません。目先の動きに乗ろうとあせ
ってみたところで、「買っては投げ」「売っては踏み」の繰り返しで損ばかり
増えてきてしまいます。手数料が安くなったかといっても何の見込みもなく目
先的な小掬い商いばかりを目指しても「労多くして儲けは少ない」ということ
になりかねません。買い場でなければ買い場を待つ、売り場でなければ天井を
見極めるまで待つ、ということが必要なのです。そのためには相場の方向性を
見極め、仕掛けるべき値段を見極め、決してあせらないということが大切なの
ではないでしょうか。そして目標値になったならばしっかりと利益を確定し、
その後は(休んでとまではいいませんが)しっかりと天井、底を見極めること
が大切なのではないでしょうか。



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